#14 すぐカッとなってしまうあなたへ|怒りを「ひと呼吸」でしずめる方法

カッとなった勢いで、きつい言葉を言ってしまう。物に当たってしまう。そして、少し経つと「なんであんなこと言ったんだろう」と、後悔する。そんなくり返しに、疲れていないかな。

こんにちは、クォッカです🐸

もし心当たりがあるなら、カッとなるとすぐ突進してしまう、子イノシシの話を聞いてほしいんだ。

結論から言うね。カッとなるのは、きみの性格が悪いからじゃなくて、体にそういうスイッチがあるからなんだ。そして、そのスイッチには、たった一つ、弱点がある。ひと呼吸だ。言い返す前に、動く前に、一息おく。その、ほんのわずかな間に、きみは、感情の主導権を取り戻せるんだよ🌱

カッとなると、すぐ突進する子イノシシ

子イノシシは、カッとなると、すぐに突進した。だれかに何か言われると、頭に血がのぼって、頭を下げて、猛スピードで突っ込んでいく。木にぶつかったり、大事なものを、なぎ倒したり。そして、いつも、あとで、しょんぼりする。

「……またやっちゃった。ぼく、なんで、こうなんだろう」

そこへクォッカが来て、突進体勢の子イノシシの、鼻先にそっと立った。

「カッとなった今、体の中で、『突っ込め!』っていう、大きな波が来てるだろ?」

「……うん。もう、止まれない」

「その波にさらわれる前に、足を、ぐっと踏ん張ってみて。そして、ひと呼吸。すーっと吸って、長ーく吐く。波は、数秒で、いちばん高いところを過ぎるんだ。待てば、ちゃんと、引くよ」

子イノシシは、足を踏ん張って、大きく、長く、息を吐いた。すーっ……。すると、さっきまで「突っ込め!」でいっぱいだった頭が、ほんの少しだけ、静かになった。

「……あれ。突っ込まなくても、いいかも」

カッとなるのは、性格じゃなくて、体の防衛スイッチだ

まず、知っておいてほしいことがある。カッとなるのは、きみの性格が悪いからでも、心が狭いからでもない。それは、体に、大昔から備わっている、防衛のスイッチなんだ。

何かに「攻撃された」と感じた瞬間、脳の中の「扁桃体」という警報装置が、ビーッと鳴る。すると、アドレナリンという物質が一気に出て、心臓がドキドキ、体が熱くなって、「戦うか、逃げるか」のモードに入る。子イノシシの「突っ込め!」の波は、まさにこれだ。つまり、あの突進したくなる衝動は、きみの意志じゃなくて、体が勝手に押した、非常ボタンなんだ。だから、まず、カッとなった自分を、責めないでほしい。

怒りの波には、数秒で越える「山」がある

その体のスイッチには、じつは、大事な性質がある。ずっと鳴りっぱなしではなくて、いちばん激しい衝動は、ほんの数秒しか続かない、ということだ。

アンガーマネジメントの世界では、よく「6秒ルール」と言われる。カッとなった最初の数秒をやり過ごせば、怒りのいちばん高い波は過ぎる、という考え方だ。正直に言うと、「きっかり6秒で怒りが消える」という、厳密な科学の話ではないんだ。人によって違うし、理不尽なことなら、もっとかかることもある。でも、「怒りのピークは、意外と短い。その山さえ越えれば、少しずつ引いていく」という部分は、たしかなことなんだ。子イノシシの波が、ひと呼吸のあいだに山を越えたようにね。だから、覚えておいてほしい。カッとなった、まさにその瞬間が、いちばん危ない。そして、それは、そんなに長くは続かない。

ひと呼吸は、「反射」を「選択」に変える

では、その数秒を、どうやり過ごすか。いちばんかんたんで、強力なのが、深呼吸なんだ。

ゆっくり、長く息を吐くと、体の「休め」の神経(副交感神経)が働いて、ドキドキした心臓が、落ち着きはじめる。すると、警報装置(扁桃体)に乗っ取られていた脳の主導権が、理性を担う「前頭前野」のほうに、戻ってくる。これが、大事なんだ。ひと呼吸おく前は、体が反射で動く「反射モード」。ひと呼吸おいたあとは、自分で選べる「選択モード」。同じ状況でも、突っ込むか、突っ込まないかを、きみが選べるようになる。子イノシシが「突っ込まなくても、いいかも」と思えたのは、反射から選択へ、スイッチが切りかわったからなんだよ。

二百年前の一斎も、「一呼吸の間にある」と言った

この「ひと呼吸が、自分を取り戻す鍵になる」という話。二百年前の日本の学者、佐藤一斎も、ずばり言い当てている。『言志四録』の一節がこれ。

【原文】
克己の工夫は、一呼吸の間に在り。

【よみがな】
こっきのくふうは、いっこきゅうのかんにあり。

【意味】
自分の感情や欲に打ち克つコツは、たった一呼吸おく、そのわずかな間にある、ということ。

「克己」とは、自分に打ち克つこと。一斎は、そのコツが、長い修行や、強い意志の中にあるんじゃなくて、たった「一呼吸の間」にある、と言い切っている。脳科学のなかった時代に、怒りの波が数秒で山を越えることを、経験から見抜いていたんだね。感情に振り回されるか、自分の手綱を握るか。その分かれ目は、ほんの、ひと息のあいだにあるんだ。

「怒りを我慢するのは、体に悪いのでは?」と思ったきみへ

こう思う人もいるよね。「怒りを我慢して、抑え込んだら、いつか爆発するし、体にも悪いんじゃないの?」。とても大事な問いだ。ここは、はっきりさせておきたい。

ひと呼吸は、怒りを「我慢する」ことでも、「消す」ことでもないんだ。怒りは、悪い感情じゃない。何かを大切に思っているからこそ、湧いてくる、正当な感情だ。ふたをして、押し殺す必要なんて、ない。ひと呼吸がやっているのは、ただ、怒りをぶつける「タイミング」を、いちばん危ない波の頂点から、少しずらすこと。それだけなんだ。波が引いてから、「さっきのは、悲しかった」「あれは、やめてほしい」と、落ち着いて伝えればいい。むしろ、そのほうが、相手にちゃんと届く。ひと呼吸は、我慢の技術じゃなくて、伝え方を選び直すための、余白をつくる技術なんだよ。

カッとなったら、言う前に、長ーく息を吐く

具体的な一歩を、一つ。カッとなった瞬間、何か言い返したり、動いたりする前に、まず、ゆっくり長く、息を吐いてみて。吸うより、吐くほうを、意識するのがコツだ。すーっと吐くと、体の「休め」の神経が、よく働く。

そのとき、心の中で、子イノシシみたいに「あ、波が来た」と、名前をつけてみて。「怒り」に、名前をつけて、少し離れて眺めるだけで、波に、まるごと飲まれにくくなる。

そして、一歩先の話をするね。ひと呼吸は、「待つ」だけで終わらせないのがコツなんだ。数秒やり過ごしたあと、「じゃあ、本当は、どう伝えたい?」と、一度、選び直す。ここまでやって、ひと呼吸は完成する。ただ我慢して飲み込むと、たしかに、あとで爆発しやすい。でも、ひと呼吸おいて、伝え方を選んで、ちゃんと言葉にできれば、怒りは、きみを乗っ取る波じゃなくて、大切なことを伝えるための、エネルギーに変わるんだよ🍀

気になる問いに、いくつか答えておくね

Q. 6秒待っても、ぜんぜん怒りがおさまりません。
A. それは、失敗じゃないよ。理不尽なことや、強いストレスがあると、数十秒、あるいはもっとかかることもあるんだ。そんなときは、無理にその場で消そうとせず、いったんその場を離れる(トイレに立つ、飲み物を取りに行く)のも、りっぱなひと呼吸だよ。

Q. 我慢していると、あとで一気に爆発してしまいます。
A. それは、ひと呼吸の後半が、抜けているのかもしれない。ただ飲み込むだけだと、怒りは、たまっていくんだ。波が引いたあとで、「本当は、こう感じた」と、落ち着いて言葉にする。ため込まずに、少しずつ出すほうが、爆発しにくいよ。

Q. どう考えても、相手のほうが悪いときは?
A. 相手が悪いことは、あっていい。ひと呼吸は、「怒るな」でも「許せ」でもないんだ。ただ、いちばん危ない波の頂点で言葉を出すと、正しいことを言っていても、伝わり方が、こじれてしまう。だから、波が引いてから、伝える。中身じゃなくて、タイミングを選ぶ、ということなんだ。

こんな日は、こっちの話も

もし「怒りというより、そもそもイライラしやすくて、余裕がない」なら、睡眠が土台になっていることも多いから、「朝起きられないあなたへ」の話が役立つかもしれない。逆に「怒ったあと、自分を責めすぎてしまう」なら、「人には優しいのに自分に厳しいあなたへ」をどうぞ。きみの“今”に近いほうから、読んでみて。

おわりに

カッとなった波は、必ず、いちばん高いところを過ぎて、引いていく。

その山を越えるあいだ、足を踏ん張って、長く、息を吐く。たったそれだけで、きみは、突進する自分じゃなくて、選べる自分に、戻れる。怒りを、なくさなくていい。ただ、ひと呼吸の間だけ、待ってみて。きみの手綱は、ちゃんと、きみの手の中にあるから🐸🌱

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この記事を書いた人

私は主に、チャコが読み解いた星からのメッセージを聞き、そこにどんな意味があるのかを読み解き、みんなの人生に落とし込んでいくことをしています。
当たるか当たらないかの占いのような星読みにせず、運命があなたに何を求めているのかを読み解き、人生で起こる全ての出来事に意味を与え、これからの人生の指針となる星読みにするためにチャコと日々星を読んでおります。

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