#9 考えすぎて疲れるあなたへ|“心配の9割は起こらない”という話

布団に入った、その瞬間。「もしあれが失敗したら」「もし嫌われたら」って、心配が次から次にわいてきて、目がさえてしまう。そんな夜は、ないかな。

こんにちは、クォッカです🐸

もし今、そんな眠れない夜を過ごしているなら、心配ぐもに囲まれた子チャッコの話から、始めさせて。 結論から言うね。きみが今かかえている心配の、ほとんどは、実際には起こらないんだ。これは気休めじゃなくて、研究でもはっきり数字が出ている。しかも、その割合を、二百年前の日本人が、ほとんど同じ数字で言い当てている。だから、ぜんぶを抱えたまま、眠れなくならなくていいんだよ🌱

眠れない夜の、心配ぐもの話

夜のベッドで、子チャッコは眠れずにいた。頭のまわりには、黒くてもやもやした「心配ぐも」が、いくつも浮かんでいる。「もし失敗したら」「もし嫌われたら」「もし、もし……」。考えれば考えるほど、くもはどんどん増えていく。

「どうしよう……こわいことばっかり、頭に浮かんでくる」

そこへクォッカが、そっと枕元にやってきた。

「子チャッコ。そのくもの一つ、声に出して言ってみて」

「……明日の発表、失敗したらどうしよう」

「じゃあ聞くね。先週も、同じこと心配してた。あれ、ほんとに失敗した?」

「……ううん。ふつうに、できた」

そう言ったとたん、心配ぐもの一つが、ぷしゅっと気の抜けた音を立てて、しぼんだ。一つ、また一つ。声に出して確かめるたびに、くもは小さくなっていく。

「ほらね。ほとんどのくもは、口に出してみると、起きないことばっかりなんだ。残った小さいのだけ、明日いっしょに考えよう」

となりでは、ピヨが心配ぐもなんてどこ吹く風で、ぐうぐう眠っていた。

きみの心配の8割は、たぶん今夜も起きない

いきなり、数字の話をするね。これは、気休めのためじゃなくて、本当に研究で分かっていることだからだ。

アメリカのペンシルベニア州立大学のボルコヴェック教授らの研究では、人がかかえる心配事の79%は、実際には起こらなかった。さらに、残りの21%のうち16%は、事前に準備すれば対処できた。つまり、本当に起こって手に負えなかったのは、たった5%ほど。もっと新しい、同じ大学のラフレニエールとニューマンの研究(2020年)では、被験者が訴えた心配事の、平均91.4%が実際には起こらなかったと報告されている。被験者が少ない小規模な研究ではあるけれど、どちらも同じ方向を指している。

きみの頭の中で、あんなに大きく見えていた「不安の物語」。その8割から9割は、朝になれば、形すら残っていないんだ。子チャッコの心配ぐもが、口に出したとたんしぼんだのは、まさにこれだよ。

心配が実物より大きく見えるのは、脳のクセのせい

「じゃあ、なんで起こりもしないことを、こんなに心配しちゃうの?」って思うよね。それは、きみが弱いからでも、ネガティブだからでもない。脳が、そういうふうにできているからなんだ。

大昔、人間は、危険をいち早く見つけられないと、命に関わった。だから脳は、良いことより「悪いかもしれないこと」に、優先して目を向けるクセを持っている。これを「ネガティブ・バイアス」という。夜や、暗いニュースを浴びたあとに心配がふくらみやすいのは、この危険センサーが、敏感になっているからなんだ。

しかもやっかいなことに、心配は、頭の中にあるうちは、実物の何倍も大きく見える。子チャッコの心配ぐもも、頭の上でふくらんでいるうちは真っ黒で巨大だったよね。でも、口に出して光を当てたとたん、しぼんだ。心配は、暗がりの中でだけ、大きくなれるんだ。

二百年前の一斎も、「十中の七」と数えていた

ここで、面白いことに気づいてほしい。現代の研究が出した「約8割は起こらない」という数字。じつは、二百年前の日本の学者、佐藤一斎が、ほとんど同じ割合で言い当てているんだ。『言志四録』の一節がこれ。

【原文】
年間の人事万端、算え来たれば十中の七は無用なり。

【よみがな】
ねんかんのじんじばんたん、かぞえきたればじっちゅうのしちはむようなり。

【意味】
一年の間に起こるあれこれを数えてみると、その十のうち七は、わざわざ気に病む必要のなかったことだ、ということ。

「十中の七」、つまり7割。ボルコヴェックの研究の「79%」と、ほとんどぴったり重なる。脳の危険センサーが二百年前から変わっていない以上、人の心配のクセも、ずっと同じなんだね。だからこそ、この一斎の言葉は、スマホもニュースもある現代のきみにこそ、まっすぐ効くんだ。

「でも、心配しないと備えられないよね?」への返事

こう思う人もいるよね。「心配するから、ちゃんと備えられるんじゃないの?」。うん、その気持ちはよく分かる。でも、ここは切り分けが大事なんだ。

一度考えて、対策を決める。これは「備え」。同じ心配を、答えが出たあとも、頭の中で何度もぐるぐる再生する。これは「反すう」といって、備えとは別ものなんだ。反すうは、状況を何一つ変えてくれない。ただ、心配ぐもを何度もふくらませて、きみを疲れさせるだけ。ボルコヴェックの数字を思い出して。準備で対処できたのは、心配全体のうち16%。残りの大半は、そもそも起こらないか、心配しても変えられないことだった。だから、一度備えたら、そこで手を止めていいんだよ。

心配ぐもは、頭の中より、口に出すと小さくなる

具体的な、今夜からできることを一つ。頭の中で心配がふくらんだら、それを頭の中に置いたままにしないで、外に出すこと。声に出す。紙に書く。子チャッコがやったように、光を当てると、くもはしぼむ。

やり方はかんたんだ。心配を紙に書き出して、一つずつ、こう問いかける。「これは、本当に起こりそう?」「自分にできることは、ある?」。起こりそうにないものは、線を引いて消す。できることがあるものだけ、小さな一手を決める。それで終わり。

そして、一歩先の話をするね。大事なのは、心配ぐもを「消そう」と力まないこと。「考えないようにしよう」とするほど、くもは逆に濃くなる。消そうとするんじゃなくて、外に出して、光を当てる。すると、勝手にしぼんでいく。心配は、戦う相手じゃなくて、明るいところに連れ出す相手なんだ🍀

気になる問いに、いくつか答えておくね

Q. 「考えないようにしよう」とするほど、余計に考えてしまいます。
A. それは自然なことなんだ。「白いくまを想像するな」と言われると、かえって白いくまが浮かぶよね。打ち消そうとするより、紙に書いて外に出すほうが効く。頭からいったんおろすと、くもは静まりやすくなるよ。

Q. 心配性なのは、直したほうがいいのかな。
A. 直さなくていいよ。心配できるのは、慎重で、責任感がある証拠でもあるんだ。ただ、その心配が「備え」じゃなく「くり返し」になっていたら、そこで一度、手を止めるサインだと思ってね。

Q. 心配で眠れない日が、ずっと続いています。
A. もし、その不安で眠れない日が長く続いて、日常がつらくなるほどなら、一人で抱え込まないでほしい。信頼できる人に話す、専門家に相談する。それも、弱さじゃなくて、ちゃんとした対処の一つだよ。

こんな夜は、こっちの話も

もし「心配というより、そもそも先が見えなくて不安」なら、「先が見えなくて不安なときへ」の話が近いかもしれない。逆に「考えすぎて、休んでも頭が休まらない」なら、「休むことに罪悪感があるあなたへ」をどうぞ。きみの“今夜”に近いほうから、読んでみて。

おわりに

きみの頭に浮かぶ心配ぐもの、ほとんどは、朝には消えている。

二百年前の学者も、現代の科学者も、同じことを言っている。悩みの多くは、起こらない。だから、ぜんぶを抱えたまま、眠れなくならなくていい。声に出して、紙に書いて、光を当てて。しぼんで残った、本当に大事なほんの少しだけ、明日、いっしょに考えよう🐸🌱

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この記事を書いた人

私は主に、チャコが読み解いた星からのメッセージを聞き、そこにどんな意味があるのかを読み解き、みんなの人生に落とし込んでいくことをしています。
当たるか当たらないかの占いのような星読みにせず、運命があなたに何を求めているのかを読み解き、人生で起こる全ての出来事に意味を与え、これからの人生の指針となる星読みにするためにチャコと日々星を読んでおります。

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